デイサービス(通所介護事業所) (平成27年11月30日新規掲載)
1.デイサービスとは?
利用者が自宅での生活が維持できるように、リハビリや脳トレーニング、レクレーションなどの様々なプログラムにより心身機能の維持・向上を図ると共に、自宅での入浴が困難な方への入浴サービスや、食事の提供を行い、自宅での生活を支援する役割を担っています。
また、地域住民の方がボランティアにもお越し下さり、地域交流の場としても活用されています。
2.デイサービスに配置される専門職
デイサービスには、管理者のほか、社会福祉士などの資格を持つ生活相談員、看護師、介護福祉士などの資格を持つ介護職員が配置されています。機能訓練指導員として理学療法士、作業療法士などの有資格者を配置する事業所もあります。
また、必要に応じ、主治医や介護支援専門員などの地域の専門職との連携を行っています。
3.デイサービスの違いは?
デイサービスは、利用者の定員により大規模型・通常規模型・小規模型と種類が別れ、3時間以上―5時間未満、5時間以上―7時間未満、7時間以上―9時間未満等とサービスの提供時間も様々で、これらの違いにより、要介護の利用者の単位数も異なります。要支援の利用者はどの種類でも同じ単位数となります。
宿泊施設を完備した泊りが可能な事業所や短時間の利用でリハビリに特化した事業所、長時間の利用で家族のレスパイトに力を入れた事業所など個々の事業所により特色もあります。
4.認知症対応型通所介護とは?
通常のデイサービスとは別に、認知症の利用者へのケアに力を入れたデイサービスです。個々の認知症の症状に応じ回想法や音楽療法などの個別のケアを行い、症状の安定化や進行の予防を図れるよう支援をします。
この認知症対応型通所介護は、地域密着型サービスとなり、地域社会で安心して生活出来るよう地域住民とも協力をしながらサービスを提供しています。
5.デイサービスを取り巻く現状
デイサービスは、入所施設などに比べ、新規参入がし易く、収益率も高い小規模のデイサービスを中心にコンビニよりも多いといわれるほど、事業所数が増加しました。しかし、平成27年の介護保険の報酬改定によりデイサービスの報酬単価が大幅に引き下げられ、閉鎖に追い込まれる事業所も増加しました。要支援の利用者が市区町村独自の地域包括事業へ移行されることもあり、今後、更に収益が悪化し、事業継続が困難となる事業所が出てくる可能性があります。
また、要支援の利用者の大幅な報酬減少により利用回数の制限や入浴サービスの中止を余儀なくされた事業所もあります。
このような現状の中でも、利用者とその家族の為、個々のニーズを捉え、質の硬いサービスを提供し、地域の重要な社会資源としての役割を担っている事業所も多くあります。
6.デイサービスに今後求められる役割
デイサービスは、前述したようにリハビリや入浴などのサービスを目的として利用される方も多くおられますが、デイサービスの利用により自宅での生活にメリハリができ、新しい人間関係の構築により、生活に張りを持てる利用者も多くおられます。
加齢に伴い、周囲の環境の変化や近しい人の死による喪失感などにより、自宅内に引きこもる方も増えてきます。そのような方に対し、定期的な外出の機会を提供しながら、他の利用者や職員、地域住民との交流の場として重要な役割を担っています。
今後、福岡市の地域包括支援事業が本格化していく中で、デイサービスに求められる役割は更に増加していきます。地域内の各事業所間で連携を強化し、その役割を担えるようにサービスの向上を行っていく必要があります。
(青葉デイサービスステーション 占部聡子)