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Fukuoka Higashi Zaitaku Care Network

歯科診療所(歯科クリニック)DENTAL CLINIC

在宅ケアにおける口腔管理について  (平成28年1月6日更新)

 医療・介護の現場では口腔ケアの重要性については周知のことと思います。しかし、実際に口腔ケアを行うことの難しさもまた、周知のことなのではないでしょうか。
なぜ口腔ケアは難しいのでしょうか。

 どうやっていいのか分からない、暗くて口腔内がどうなっているのかよく分からないなどの基本的なことから、口が開かない、指や器具を咬む、むせる、手が出るなどの拒否がある、歯が飛び飛びに残っていてどこにあるのかよく分からない、口の中が乾いていてすぐに血が出る、痰が多いなど、口腔ケアの仕方や対応が個人によって大きく異なるためではないでしょうか。また、施設などにおいては時間の制約、マンパワー不足などによる介護の現場の事情も大きく関与しているのではないでしょうか。

 昨今、高齢者における死因の第3位が脳血管疾患から肺炎に入れ替わりました。医療の進歩により脳血管疾患で亡くなる方が減った一方で、その後遺症を抱えて生活をされている方が数年後に誤嚥性肺炎を含む肺炎で亡くなるということも一因と考えます。誤嚥性肺炎の原因として重要とされるのが、不顕性誤嚥(silent aspiration)や胃食道逆流による胃液の誤嚥であるとされます。脳血管疾患後遺症や、パーキンソン病、レビー小体型認知症、食道癌や胃癌、口腔癌術後など、嚥下障害を伴う疾患の方は睡眠時に唾液と共に多量の口腔内細菌を誤嚥していると言われています。また嚥下障害の他にも、心疾患、糖尿病、関節リウマチなどが口腔内細菌と密接に関係しているといわれています。

 平成23年度の厚生労働省歯科疾患実態調査では、80歳以上で歯を20本以上有している方は30%を越え、高齢者=無歯顎(総入れ歯)という時代はすでに過去となりつつあります。歯に付着する歯垢は細菌の塊ですので、口腔ケアを行う際には歯垢を除去することも大切です。経口摂取をしていない場合でも歯垢は付着します。しかし、残存する多数の歯が口腔ケアを更にケアを難しくしていることもあります。

 口腔ケアを行う際に重要なのは、その方に合った口腔ケアの器具、方法を準備することです。その方の口腔ケアを難しくしている要因に対処するよう準備をすることで、口腔ケアが容易になることがあります。それが介護の負担、時間の軽減につながることになります。また、口腔内への刺激が覚醒を促したり、唾液の分泌を促進する場合もあります。痛みを伴う口腔ケアは拒否につながります。乾燥していると口唇を引っ張るだけで痛みますので、保湿剤などを使用するとすんなりと口腔ケアを行うことができることがあります。

 現在福岡市でも訪問歯科診療が活発に行われており、ノウハウやスキルをもった歯科医師が増えつつあります。口腔内のことについては、ささいな事でも気軽に歯科医師に相談されることをおすすめします。
(原土井病院 助川顕士)

口腔機能回復支援相談歯科医師について  (平成28年9月5日更新) 

1、福岡県歯科医師会が行う「福岡県口腔機能回復支援研究会」事業の一環として口腔機能回復支援を積極的に推進することを目的とし、そのため福岡県口腔機能回復支援相談歯科医師について必要な事項を定め、歯科保健の一層の向上・充実を図ることとする。

2、 福岡県口腔機能回復支援相談歯科医師とは
 (1) 福岡県歯科医師会が実施する福岡県口腔機能回復支援研究会の正会員で、福岡県口機能回復支援相談歯科医師研修会の所定の課程を修了し、業務を遂行できると福岡県歯科医師会長が認めた者
 (2) 次に述べる業務を遂行できると福岡県歯科医師会長が認めた者。

3、 業務内容相談歯科医師は群市区歯科医師会と連携を密にし、関係行政機関からの相談・依頼を受け、次に掲げる業務を行う。
 (1) 口腔機能の低下している、または障がいを持つ者の歯科相談。
 (2) 口腔機能の低下している、または障がいを持つ者の健診・指導・予防ならびに管    理。
 (3) 在宅歯科医療を推進し、必要に応じて2次医療機関へ紹介し、在宅歯科医療の     確保に努める。
 (4) 口腔機能回復支援にかかわる多職種等との連携に努める。
 (5) 福岡県歯科医師会等が行う講演会・研修会に積極的に参加し、自己の研鑽に努め    る。
 以上より平成22年度から福岡県口腔機能回復支援研究会を発足し、講習会の実施やメーリングリストの発信等を行っている。
 要介護者や地域住民、特に最近聞くところでは神経難病をお持ちの方の最も必要とされる要望は「食べる」ということだそうですが、その「お口から食べ続けられる」ための支援ができるよう研鑽を積んでいる。

 福岡市歯科医師会では、平成24年4月に福岡市口腔機能回復支援相談医会が発足。情報の共有や研修会を開催している。

 相談歯科医師には、今後は地域包括ケアの一環として、地域における住民の口腔機能向上のため、関係行政機関並びに多職種との連携におけるコーディネーター役として活躍の場を広げて頂くよう事業内容を検討している。
(平成27年度現在 登録歯科 医師数:福岡県215名、福岡市48名、東支部7名) (坂本歯科医院 坂本 文比古)

 相談歯科医師のリストはこちら

福岡市における訪問歯科診療のしくみについて

 良く聞かれることの一つに、福岡市で訪問(在宅)歯科診療を受けるにはどの様にしたら良いのか?と云う事があります。

 福岡市歯科医師会では充分広報しているつもりですが、良く理解されていないのが現状の樣です。そこで、この場をお借りして、訪問(在宅)歯科診療を受けるための方法について説明します。

 基本的には「かかりつけ歯科医」が対応することとなると思われますが、通院出来ない方などで、在宅での歯科診療をお求めの方々へは、福岡市歯科医師会内に「訪問歯科診療協力歯科医師」という登録医制の制度が用意されています(現在 東区33名です)ので、福岡市歯科医師会事務局Tel 092-781-6321)へ要請して頂くことになります。

 一般に歯科医院は歯科医師が1人〜2人という小規模な診療形態であり、毎日の診療は自院で手一杯という所も多く、簡単に訪問歯科診療へ出かけるという事は出来ません。

 そのため福岡市歯科医師会事務局へ診療要請がきた場合、16Kmの範囲内(この距離は決められています。)での登録歯科医師へ連絡し、出動して頂くと云う事になります。
要請を受けた協力歯科医は、速やかに患者さん宅へ連絡を入れ、訪問日時などを決定し、訪問診療を始めて行きます。(図1

 在宅での診療では日常手元にある診療器具を使ってという訳にはいきませんので、必要な器具だけをコンパクトにまとめた訪問診療用機材を用います。

 福岡市歯科医師会では、この「訪問診療用機材」の貸し出しを行っており、高額な事から所有していない先生方でも、すぐに訪問診療に行けるシステムを構築しています。

 また在宅の障害者や高齢者などの患者さまでは、特に通常の診療環境と全く違う環境の下、重篤な状態を呈している方も多く、観血的処置を行う場合や緊急時には、二次診療として九州大学病院歯科部門と提携し、患家や病院、施設への二次訪問診療が出来る様になっています。

 訪問歯科診療にあたっては、患者様が寝たきりの場合も多く、基礎疾患やその合併症、また基礎体力の低下等により、歯科治療時のリスクを常に年頭においておかねばなりません。歯牙切削時や印象採得時の誤飲のリスクも考えられます。

 福岡市歯科医師会では「訪問歯科診療協力歯科医」の先生方へは年に2回、知識と技術の研鑽を目指しオリエンテーションを開催し、常にレベルの向上を図っています。

 訪問歯科診療に関しては、福岡市以外の近隣歯科医師会でも同様と思われます。
在宅での診療を希望されるときは、まずは「かかりつけ歯科医」ですが、そうでない時は近くの歯科医師会事務局へ連絡要請されることをお薦めします。

東区歯科医師会訪問歯科診療協力医のリスト。(2017/11)

(福岡市歯科医師会・地域歯科医療委員会副委員長(東区担当)・福岡県在宅医療を担う地域リーダー 坂本歯科医院 坂本文比古)

図1:福岡市・訪問(在宅)歯科診療を受けるしくみ
 

一般社団法人 福岡市歯科医師会・事務局
福岡市中央区大名1丁目12番43号
Tel 092-781-6321 Fax 092-781-6512

福岡東在宅ケアネットワーク

事務局:山崎 隆
〒813-8588
福岡市東区青葉6丁目40−80    TEL:092-691-3881
FAX:092-691-3961
E-mail:ty_yamasaki@haradoi-
          hospital.com